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コンプレックス
第10章 俺の弟は…

琉と愛里咲の住むマンションを見上げ、渚は顔を歪めた。
「絶対何かやらかす。ホント来ないで。ここで帰って!」
相変わらずマシンガンな芙美のトークに、渚は振り返り様に大きくため息を零した。
「帰んない〜!え、もしかしてここ⁉︎ 」
聳え立つマンションを見上げ、芙美はキャーキャーと歓声を上げていた。
半泣き顔でどうしようかと翔を見つめる渚に、
「……琉に聞いてみるよ」
同じように顔を歪める翔。
「絶対怒るって!」
「うん、嫌な予感しかしない…」
冷めた瞳で睨む琉を思い出し、翔はブルっと身震いした。
渚の必死の制止も振り切り、芙美と3人でマンションエントランスへと入る。
「さすが琉!いい所住んでるね」
「……マジで帰って」
「久しぶりに琉に会いたいの〜」
「琉くんが会いたいとは言わないと思うよ!」
後ろで言い合う女2人の声に、翔はいつまでも部屋番号を押せずに操作盤を見つめていた。
「えー、じゃあこれから毎日ここで待ち伏せしようかな」
「ストーカーじゃん!てか、ストーカーの妹探すんでしょ?早く帰ってよ!」
「はいは〜い。一目会ったら帰るよ。琉が帰してくれたらね♡」
「間違いなく追い返されると思うけどね!」
ギュッと目を閉じ深呼吸する。
震える指で、琉の部屋番号を押して呼び出しボタンを押す。
心臓がバクバクと嫌な音を立てる。
『……兄貴?』
ドキン!
聞き慣れている筈の弟の声に、翔の心臓が跳ね上がった。
「あー…うん。それと……」
『渚だろ?今開ける』
「あー…えっと……」
今のうちに芙美の事を話していっそ琉に追い返してもらおうかと思うのに、
翔の口から言葉が出てこない。
唇に人差し指を立てて押し当て、クスクス笑って隠れる芙美。
恨めしげな視線を芙美に送りながら、開いた扉から3人で中へと入った。
「絶対何かやらかす。ホント来ないで。ここで帰って!」
相変わらずマシンガンな芙美のトークに、渚は振り返り様に大きくため息を零した。
「帰んない〜!え、もしかしてここ⁉︎ 」
聳え立つマンションを見上げ、芙美はキャーキャーと歓声を上げていた。
半泣き顔でどうしようかと翔を見つめる渚に、
「……琉に聞いてみるよ」
同じように顔を歪める翔。
「絶対怒るって!」
「うん、嫌な予感しかしない…」
冷めた瞳で睨む琉を思い出し、翔はブルっと身震いした。
渚の必死の制止も振り切り、芙美と3人でマンションエントランスへと入る。
「さすが琉!いい所住んでるね」
「……マジで帰って」
「久しぶりに琉に会いたいの〜」
「琉くんが会いたいとは言わないと思うよ!」
後ろで言い合う女2人の声に、翔はいつまでも部屋番号を押せずに操作盤を見つめていた。
「えー、じゃあこれから毎日ここで待ち伏せしようかな」
「ストーカーじゃん!てか、ストーカーの妹探すんでしょ?早く帰ってよ!」
「はいは〜い。一目会ったら帰るよ。琉が帰してくれたらね♡」
「間違いなく追い返されると思うけどね!」
ギュッと目を閉じ深呼吸する。
震える指で、琉の部屋番号を押して呼び出しボタンを押す。
心臓がバクバクと嫌な音を立てる。
『……兄貴?』
ドキン!
聞き慣れている筈の弟の声に、翔の心臓が跳ね上がった。
「あー…うん。それと……」
『渚だろ?今開ける』
「あー…えっと……」
今のうちに芙美の事を話していっそ琉に追い返してもらおうかと思うのに、
翔の口から言葉が出てこない。
唇に人差し指を立てて押し当て、クスクス笑って隠れる芙美。
恨めしげな視線を芙美に送りながら、開いた扉から3人で中へと入った。

