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コンプレックス
第10章 俺の弟は…

コンコン…
ものすごく遠慮がちに、翔がドアをノックする。
そんな翔の腕にしがみ付く渚。
ゆっくりとドアが開き、翔と渚は顔を見合わせて生唾をゴクリと飲み込んだ。
「兄貴、渚、悪かったな……って、芙美?」
顔を覗かせた琉。
ぐるりと見回した視線が芙美で止まり、顔が強張る。
ヒュ…っと音を立てて息を飲み固まる翔。
その背を軽く叩き、
「ごめん。スーパーで会って押し切られた」
渚がガバッと頭を下げた。
「琉さん! 会いたかった!」
一番後ろにいた筈の芙由が、皆を押し分けて琉に抱き着く。
「……ストーカー」
不機嫌に芙由を引き剥がす琉。
「ストーカーじゃないですよ。あたしは須藤芙由です」
ニッコリと嬉しそうに笑う芙由の横を、
「ごめんごめん、芙由は私が責任持って見るから!お邪魔しまぁす」
芙由の姉の芙美がすり抜けて家の中へと入る。
「ちょ…芙美⁉︎ ごめん、琉くん。ストーカーまで上がっちゃった」
芙美に続き、芙由までもが家の中へと入っていき、慌てて伸ばした手も間に合わず渚は恐る恐る琉を覗き見た。
「陽花ぁ、陽向ぁ、会いたかったぁ!」
バッチリと不機嫌の琉の瞳に囚われ、逃げるように家の中へと上がる翔。
「バカ兄貴!」
その背に向けられた琉の子供染みた言葉に、渚はクスッと小さく笑った。
「てか渚、あのバカ兄貴と付き合い始めたんだろ?やたらメールやら電話が来るんだけど、すげー迷惑」
言葉とは裏腹に、向けられる琉の視線は優しくて、渚はホッと安堵した。
ものすごく遠慮がちに、翔がドアをノックする。
そんな翔の腕にしがみ付く渚。
ゆっくりとドアが開き、翔と渚は顔を見合わせて生唾をゴクリと飲み込んだ。
「兄貴、渚、悪かったな……って、芙美?」
顔を覗かせた琉。
ぐるりと見回した視線が芙美で止まり、顔が強張る。
ヒュ…っと音を立てて息を飲み固まる翔。
その背を軽く叩き、
「ごめん。スーパーで会って押し切られた」
渚がガバッと頭を下げた。
「琉さん! 会いたかった!」
一番後ろにいた筈の芙由が、皆を押し分けて琉に抱き着く。
「……ストーカー」
不機嫌に芙由を引き剥がす琉。
「ストーカーじゃないですよ。あたしは須藤芙由です」
ニッコリと嬉しそうに笑う芙由の横を、
「ごめんごめん、芙由は私が責任持って見るから!お邪魔しまぁす」
芙由の姉の芙美がすり抜けて家の中へと入る。
「ちょ…芙美⁉︎ ごめん、琉くん。ストーカーまで上がっちゃった」
芙美に続き、芙由までもが家の中へと入っていき、慌てて伸ばした手も間に合わず渚は恐る恐る琉を覗き見た。
「陽花ぁ、陽向ぁ、会いたかったぁ!」
バッチリと不機嫌の琉の瞳に囚われ、逃げるように家の中へと上がる翔。
「バカ兄貴!」
その背に向けられた琉の子供染みた言葉に、渚はクスッと小さく笑った。
「てか渚、あのバカ兄貴と付き合い始めたんだろ?やたらメールやら電話が来るんだけど、すげー迷惑」
言葉とは裏腹に、向けられる琉の視線は優しくて、渚はホッと安堵した。

