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第10章 俺の弟は…
「芙美!琉くんは愛里咲を元気付けて欲しくて…」

「だーかーらー!元気付けてあげようにも、その理由を愛里咲が言わないんじゃん?うちらを…っていうか……渚を、信頼してないんでしょ?」

心を抉る言葉をわざと選んで使う。

芙美の言葉に、愛里咲も渚も次の句を失っていた。


「愛里咲さ、高校ん時に親が死んだじゃん?」

「え⁉︎ ズルイ!」

芙美の言葉に、今まで黙って聞いていた芙由が声を上げた。


「ホントにそんな不幸背負ってる人に勝てっこないよ」

半泣き顔をして見せる芙由に、愛里咲の瞳がその言葉の真意を探して揺れる。



「芙美も芙由ちゃんも黙ってて!愛里咲も中二病の言うこと真に受けないでね」

ようやく言葉を返した渚。

だが、

「中二病…確かにね。でもさ、愛里咲もそういう所あるよね。あん時もさぁ、屋上で1人で泣いてたでしょ?」

「え……?」

芙美の言葉に、再び渚の口が止まった。


「親がいなくなってぇ、ようやく琉を手に入れたかと思ったら虐められて!1人屋上で不幸に酔いしれて泣いてたんだよね〜?」


高校時代、親を亡くしても明るさを失わなかった親友。

虐められても尚、馬鹿みたいに笑っていた愛里咲に軽蔑に似た感情すら抱いていた。

親友だと…友達だと思っていた。

琉への気持ちを抑えきれず、幸せそうな愛里咲を妬んでは見て見ぬ振りしてきた真実に、渚の瞳いっぱいに後悔の涙が浮かんだ。


「芙美、いい加減にしないと怒るよ!」

その声色には、渚の中の怒りが充分に含まれている。

それでも、

「誰に?元気のない理由も言えない、泣き顔も見せない。渚に弱い部分なんか見せたがらない愛里咲に?」

芙美の口は止まらない。



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