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第11章 俺の決意
「マジでうぜえ…」

不機嫌を隠さず表にだし、兄を睨む弟。

「2人きりの兄弟だろ!ウザイとか言うなよ!」

弟を無理矢理座らせたソファーの前で、何故か正座する兄。



ことの始まりは、仕事を終えた琉が車に乗り込んだ瞬間─────…

バタン

琉が運転席のドアを閉めた音に、

バタン

被ったドアの音は助手席から聞こえた。


「……兄貴?何でうちの会社に居んの?」

助手席に乗り込んだ翔を見ながら問うた琉に、

「お、送ってってくんない⁈ 」

吃りながら答えた翔。


「別にいいけど……遠回りだし、すげー面倒だな」

言いながら、エンジンを掛けた琉が車を発進させる。


「今日は渚は一緒じゃないんだ?」

「へ、えっ⁉︎ ナタデココ?俺はあんまり好きじゃない‼︎ 」

明らかに様子のおかしい兄を訝しむ弟。

信号待ちの間、運転席から向けられる視線に気付かない振りをして、翔は窓の外へと目を向けた。


自宅が近付くにつれ、翔の心臓がバクバクと暴れ出す。

一気に深まった秋の気配に、身体に感じる風は冷たいのに、冷や汗すら零れそうな翔の思い詰めた顔。


「……着いたけど」

自宅の駐車場へと停められた車。

運転席から掛けられた声に、翔はガバッと顔を上げた。


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