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コンプレックス
第2章 弟の嫁さん

次の日、残業を逃れた翔がいつもより早く帰宅すると玄関の鍵が開いていた。
ドアを開けて中へ入れば、
「おかえりなさい」
パタパタと愛里咲が走って来て出迎えてくれる。
「た、ただいま」
親より先に家に着く翔は、初めてされるこの”出迎え”に戸惑っていた。
小学生の頃は学年が下の琉が家にいた。
同じように家で1人留守番をしていた琉は、翔の帰宅に嬉しそうに玄関へと出迎えてくれる。
……訳もなく、
”翔の帰宅までは家に居て鍵を渡してから遊びに行きなさい”との母親からの言い付けで仕方なく家にいた琉は、
「遅い! 友達との約束の時間過ぎちゃっただろ!」
バンッ
と、帰宅したばかりの翔に鍵を投げ付けては外へと飛び出して行く琉を思い出す。
(ホント、昔から可愛くない弟だった!)
そう思い返し、目の前のその弟の嫁をマジマジと見つめた。
「ご飯出来てますよ。すぐ食べますか?」
目が合えば、ニッコリ笑ってそう言う愛里咲。
「あ、うん」
「支度しますね」
そんなやり取りに、
(結婚生活ってこんな感じ?)
と、翔の胸が高鳴った。
ドアを開けて中へ入れば、
「おかえりなさい」
パタパタと愛里咲が走って来て出迎えてくれる。
「た、ただいま」
親より先に家に着く翔は、初めてされるこの”出迎え”に戸惑っていた。
小学生の頃は学年が下の琉が家にいた。
同じように家で1人留守番をしていた琉は、翔の帰宅に嬉しそうに玄関へと出迎えてくれる。
……訳もなく、
”翔の帰宅までは家に居て鍵を渡してから遊びに行きなさい”との母親からの言い付けで仕方なく家にいた琉は、
「遅い! 友達との約束の時間過ぎちゃっただろ!」
バンッ
と、帰宅したばかりの翔に鍵を投げ付けては外へと飛び出して行く琉を思い出す。
(ホント、昔から可愛くない弟だった!)
そう思い返し、目の前のその弟の嫁をマジマジと見つめた。
「ご飯出来てますよ。すぐ食べますか?」
目が合えば、ニッコリ笑ってそう言う愛里咲。
「あ、うん」
「支度しますね」
そんなやり取りに、
(結婚生活ってこんな感じ?)
と、翔の胸が高鳴った。

