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第11章 俺の決意
「いや……琉のマンションならって条件付きで許してくれたからさ」

「はぁ⁈ 」


実際に両親がすんなり許してくれたのは、琉と同じ階で部屋が空いていたからだ。

翔の言葉に舌打ちするところを見れば、琉もそんな予感がしていたようだ。


「何かあったら助け合えるだろ?」

誤魔化すように笑った翔。


「助け ”合える” ?ふざけんな」

面倒事が増えるだけだと、琉はそう呟いて翔を睨む。

だが、そんな琉の呟きを掻き消すかのような弾んだ声で、

「はい!近くに翔さんがいれば心強いです!ね?琉ちゃん」

愛里咲は琉に同意を求めて嬉しそうに笑う。


「………はぁ」

こうして引越しまでされてしまえば、今更どうする事も出来ない。

大きなため息を零す琉を、その腕の中で陽花だけが面白そうに口端を上げて見ていた。


「あ、ねぇ。この前の御礼に夕飯作るよ!何がいい?」

愛里咲がストレスから熱を出した日、駆け付けてくれた翔と渚。

忙しくてその御礼は言葉でしかしていなかった。

それを思い出し、愛里咲は夕飯を提案する。


「やった!愛里咲ちゃんのご飯、美味いんだよな〜」

「へぇ、楽しみ!じゃあ愛里咲の得意料理がいいな」

はしゃぐ翔を笑顔で見る渚。

複雑な表情の琉とは逆に、

(これから楽しくなりそう!)

愛里咲の心はウキウキと楽しい未来へと馳せられていた。



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