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第11章 俺の決意
「美味しかったぁ!ご馳走様!」

そう言って、翔と渚は玄関のドアを閉める。


可愛い双子から離れられずに、なんだかんだと午後は琉たち親子と過ごしていた。

一緒に買い物に行き、帰宅して先日の御礼にと愛里咲の手料理をご馳走になった。

ストローでお茶を飲む陽花に感動し、ホフク前進のようなハイハイをする陽向にまた歓声を上げた。

結局、双子のお風呂まで手伝い、翔と渚はようやく自室へと戻ってきた。



「やっぱり愛里咲は料理上手だなぁ……習おうかな」

キッチンを眺め、渚は小さく呟いた。

聞き取れなかったのか、翔は不思議そうに渚を振り返る。


慌てたように笑顔を作ると、

「夕飯、助かっちゃいましたね」

手付けずの段ボールが積み上げられ、とても使える状態ではないキッチンに渚は苦笑いを零した。


「明日の日曜は、琉にも手伝ってもらって朝から荷物を片付けるよ!」

そう言って力強く頷いてみせる翔だけど、

「……手伝ってくれるといいですね」

弟に軽くあしらわれる翔を散々見てきた渚は、思わずそう呟く。



「渚……こっちは、使えるように空けといたんだけど……」

「え?」


グイッと手を引かれ、翔に連れて来られたのは寝室。


「泊まってく……でしょ?」

言葉は疑問形なのに、

渚の手を掴む翔の手の力は有無を言わせないほどに強くて……


「は…い……」

顔を真っ赤に染めた渚は、小さく頷いて、恥ずかしさにそのまま俯いた。



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