この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
コンプレックス
第12章 俺の弟の胸の内

琉の腕の中へと、しっかりと抱き止められた愛里咲。
その姿に、芙美は唇を噛む。
だがすぐに、
「琉っ、おかえり‼︎ 」
琉の元へと駆け寄って、愛里咲の背に回されている腕を掴んだ。
「私も琉のこどもが欲しいなぁ!双子なんだからさ、1人くらい…」
「愛里咲、飯は?」
まるで芙美の言葉が聞こえていないかのように、話の途中で琉が歩き出す。
「あ、えっと…ごめん……まだ何もしてなくて……」
チラチラと芙美を振り返る愛里咲の肩を、優しく抱き寄せる琉の腕は、
たった今、芙美の手を強い力で振り払ったもので、
「あの…琉ちゃん……」
「いつもなら風呂の時間だろ。こんな遅くから飯作り始めんの?」
琉に肩を抱かれたまま、心配そうな視線を芙美へと向ける愛里咲。
その姿が、芙美にはまるで琉の隣を自慢されているように思えて、心中に憎悪が渦巻き始める。
「手伝うって言ったのに、愛里咲ってば家にも入れてくれなくて…っ」
「陽花と陽向も飯まだなんてな。そりゃ泣きたくもなるよなぁ、陽向」
芙美の言葉に被せるように、琉が話し出す。
その内容は ”夫婦” と ”親子” の会話で、
それはまるで、芙美に入る隙はないと言われているようだ。
「琉!私こう見えても歳の離れた妹を抱っこしてきた過去があるんだよ?だから、くれるんなら女の子がいい…っ」
芙美を完全無視して、自動ドアを通る四人を、芙美はめげずに追いかけた。
ガンッ
ドアを押さえた琉が、ようやく芙美を振り返る。
「琉……ありがと……」
ホッと息を吐き出し駆け寄る芙美。
だが、
「お前ら姉妹ってバカなの?二度と来んなって言ったよな?」
冷たい声が響く。
その姿に、芙美は唇を噛む。
だがすぐに、
「琉っ、おかえり‼︎ 」
琉の元へと駆け寄って、愛里咲の背に回されている腕を掴んだ。
「私も琉のこどもが欲しいなぁ!双子なんだからさ、1人くらい…」
「愛里咲、飯は?」
まるで芙美の言葉が聞こえていないかのように、話の途中で琉が歩き出す。
「あ、えっと…ごめん……まだ何もしてなくて……」
チラチラと芙美を振り返る愛里咲の肩を、優しく抱き寄せる琉の腕は、
たった今、芙美の手を強い力で振り払ったもので、
「あの…琉ちゃん……」
「いつもなら風呂の時間だろ。こんな遅くから飯作り始めんの?」
琉に肩を抱かれたまま、心配そうな視線を芙美へと向ける愛里咲。
その姿が、芙美にはまるで琉の隣を自慢されているように思えて、心中に憎悪が渦巻き始める。
「手伝うって言ったのに、愛里咲ってば家にも入れてくれなくて…っ」
「陽花と陽向も飯まだなんてな。そりゃ泣きたくもなるよなぁ、陽向」
芙美の言葉に被せるように、琉が話し出す。
その内容は ”夫婦” と ”親子” の会話で、
それはまるで、芙美に入る隙はないと言われているようだ。
「琉!私こう見えても歳の離れた妹を抱っこしてきた過去があるんだよ?だから、くれるんなら女の子がいい…っ」
芙美を完全無視して、自動ドアを通る四人を、芙美はめげずに追いかけた。
ガンッ
ドアを押さえた琉が、ようやく芙美を振り返る。
「琉……ありがと……」
ホッと息を吐き出し駆け寄る芙美。
だが、
「お前ら姉妹ってバカなの?二度と来んなって言ったよな?」
冷たい声が響く。

