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第12章 俺の弟の胸の内

「翔さん、こんばんは。時間あったら上がって下さい」
琉の後ろで笑う愛里咲。
翔を見つけ、満面の笑みでハイハイしてくる陽向。
リビングへと続く廊下の途中で座り込み、翔を振り返る陽花。
温かで賑やかなその家へと入りたい気持ちを押さえ、
「ありがとう。でも今日は外でいいよ。琉、ちょっといい?」
翔は琉へと声を掛け外へと連れ出した。
愛里咲が家の奥へと入ったのを確認し、翔はドアを締める。
琉の方を振り返り、小声で話出した。
「最近この近くに路駐してる黒のワゴン、気付いてる?」
「…………」
無言で携帯を睨む琉。
『黒のワゴンにずっとつけられてたかも。知ってる車?』
芽衣から届いたそのメールで、ついに白取に自宅の場所を知られたのかと慌てて帰宅した。
だが琉が帰宅した時にはその車はなく、芽衣の気のせいだろうとホッとしていたのに……
”黒のワゴン”
芽衣のメールにもあったその特徴を、翔も口にした。
途端に、冷や水を浴びせられたかのように頭のてっぺんから凍っていく気がした。
琉の後ろで笑う愛里咲。
翔を見つけ、満面の笑みでハイハイしてくる陽向。
リビングへと続く廊下の途中で座り込み、翔を振り返る陽花。
温かで賑やかなその家へと入りたい気持ちを押さえ、
「ありがとう。でも今日は外でいいよ。琉、ちょっといい?」
翔は琉へと声を掛け外へと連れ出した。
愛里咲が家の奥へと入ったのを確認し、翔はドアを締める。
琉の方を振り返り、小声で話出した。
「最近この近くに路駐してる黒のワゴン、気付いてる?」
「…………」
無言で携帯を睨む琉。
『黒のワゴンにずっとつけられてたかも。知ってる車?』
芽衣から届いたそのメールで、ついに白取に自宅の場所を知られたのかと慌てて帰宅した。
だが琉が帰宅した時にはその車はなく、芽衣の気のせいだろうとホッとしていたのに……
”黒のワゴン”
芽衣のメールにもあったその特徴を、翔も口にした。
途端に、冷や水を浴びせられたかのように頭のてっぺんから凍っていく気がした。

