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第13章 俺の周りの企み
「付き、合ってた…よね?好き…合ってた……よね?」

ようやく言葉を絞り出した芙美に、

「お互い好きなんて感情はなかっただろ?付き合ってたんじゃなくて、芙美が俺に付き纏ってただけ。賭けに負けたんだから、もう付き纏うのナシな?」

琉はニッコリと微笑み、芙美を残し出入り口へと歩き出す。


「っ…何で?他に好きな子が出来た?」

縋るのはプライドが許さない。
芙美は震える手で着衣を直しながら聞いた。


「……好き?そんなんじゃねーけど」

「じゃあ…っ」

立ち止まった琉に、芙美も思わず視線で縋った。


「面白そうなオモチャを見つけたんだよ」

鋭い視線…愉しそうに上がる口角…

獲物を捕らえる前の野獣のような琉の表情は、どこか妖艶に映り芙美の心臓を鷲掴む。


「琉…っ…私をフったこと、絶対後悔するよ?」

芙美の負け惜しみに、琉は芙美を振り返った。


「付き合った覚えもねーのに付き合ってるとか言いふらされて、お前ウザいから放ってたけど……お前のおかげで新しいオモチャ手に入れんの苦労しそう。楽しみデカくしてくれてサンキュー」

スーッと細められた琉の瞳から、芙美は目が逸らせなかった。
ただただ見惚れて、言葉を発することも出来なかった。


それから─────…

あっという間に急接近していった琉と愛里咲。

高2に進級して、2人が付き合い出したと噂で聞いた─────……



「─────…なんで……愛里咲、なの?私の何が、愛里咲に劣るの?」

フラフラな足取りで、たった今、琉に追い出されたマンションのエントランスを出てくる芙美。

地面を睨み、ブツブツ呟きながら歩く芙美は、

ドンッ

エントランスを出たところで、マンションを見上げていた男性とぶつかった。


「痛いわね!どこ見て歩いてんの⁉︎ 」

「痛いのはこっちだ!謝れ!」

互いにそう怒鳴り合い、互いを睨む。


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