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第13章 俺の周りの企み
苦笑いで呟いた愛里咲の言葉に、

「あー…やっぱり……」

翔はため息を吐き出す。


「……やっぱり?」

やっぱり、なんて言葉が出てくるなら、翔はその理由を知っているのだろうか?

愛里咲は食い入るように翔を見つめた。


「うん。母親が心配してた」

「お義母さんが?」

「なんか、1人で抱え込んでるって。しかも、抱え込めないでいるって」


母親が言うのだから、きっと間違いないはず。

でも、

「1人で…抱え込んでる……?」

何を?

考え込む愛里咲に、

「愛里咲ちゃん、心当たりない?」

心配顔の翔が聞く。


(……………1人で?)

琉が、何を、1人で悩むのだろう…

仕事…のことは、芽衣が言っていた通り上手く躱していそうだし、

女子高生…のことだって、相変わらず芙由が毎日のように来ているところを見ると、適当にあしらっているのだろうと感じる。


(じゃあ、何?うちのこと?)

双子のこと?
陽向の夜泣きがひどいこと?

(そんなことで抱え込めない程には悩まないよね……じゃあ……)


「……愛里咲ちゃん?」

悶々と考え込む愛里咲を心配して翔が掛けた声。

名前を呼ばれ、愛里咲の頭の中に先日の出来事が浮かび上がった。


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