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第14章 【終】俺の彼女の活躍
双子が寝ていることを確認し、愛里咲は急いでマンションのエントランスへと降りた。

そこに芙由の姿を見つけ、ドアを開けようと近付いた時、

「─────…っ‼︎ 」

マンション住人への掲示板に、いつか琉が握り潰した不審者情報のチラシを見つけた。


写真付きのそのチラシ。

不審者と思われる男の姿は、

(白取……さん……っ⁉︎ )

思い出すのも怖いその男に酷似していた。


「─────っ…やだ……っ‼︎ 」

エレベーターへと駆け戻る愛里咲。

狂ったように自宅階の数字ボタンを押す。

ドアが閉まると、安心したのか身体の力が抜けてしゃがみ込む。

ガタガタと震える身体を抱き締め、思い出すのも見ることも身体が拒絶するその男の姿を打ち消すように目をきつく閉じた。


「何で?何で白取さんがここに?」

思わず溢れた声は、一人きりのエレベーター内に響く。


(ここが私の住んでいるマンションだと知っているの?)

そう思い当たれば、その男が近付いてくる気がしてエレベーターの壁へと背中を付け、身を隠すように小さく小さく蹲る。


─────怖い…

見下したようなあの目……

─────怖い…

女にも躊躇なく暴力を振るうあの腕……

─────怖い…

あの、夜の……暗闇に、飲み込まれそうになる。


「いや…いや…いや、いや、いや……いやぁっ‼︎

助けて……助けて‼︎

怖いよ……琉ちゃん…っ」


そう叫び、自身の声に愛里咲はハッと我に返った。

(これ以上、私の弱さを琉ちゃんに抱え込ませちゃダメだ……いつまでも、逃げてちゃダメだ……)



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