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第14章 【終】俺の彼女の活躍

エレベーターを降り、愛里咲は階段へと向かう。
震える足を必死に動かしてエントランスまで降り、琉の帰宅を待ち侘びながら外を眺める芙由の前へと立った。
「さっきは……ごめんなさい……芙美ちゃんと……しら、とり…さん……に、会って……お話が、聞きたいです」
愛里咲の言葉に、怪訝そうだった芙由の表情がぱぁっと明るくなる。
「え?ホントですかぁ?良かった!姉も喜びます!」
そんな芙由を緊張の面持ちで見る愛里咲。
「……その代わり、私1人で…会いたい」
「え?どうしてですか?」
芙由が不思議そうに首を傾げた。
「琉ちゃんは……っ……仕事が、忙しいので……」
「そっかぁ、帰り遅いですもんね!わかりました」
咄嗟に思い付いた言い訳を、素直に受け取る芙由に、愛里咲の胸に罪悪感が募る。
それでもまだ、伝えなければいけないことがある。
「それから!場所はここではなく、外でお願いします」
「うーん…とりあえずそう伝えますね」
困ったように笑う芙由。
その瞳を見据え、愛里咲は一番伝えたいことを伝えた。
「琉ちゃんには、内緒でお願いします」
これ以上、琉に負担を掛けたくない。
自分のトラウマは、自分で解決する。
そう決意する愛里咲。
「……何でですか?」
「だ、いじな…仕事を任されているので……負担をかけたくないんです。仕事が落ち着いたら、私から話しますから」
それでも、嘘を重ねる自分自身が苦しくて、うっすらと涙を浮かべていた。
震える足を必死に動かしてエントランスまで降り、琉の帰宅を待ち侘びながら外を眺める芙由の前へと立った。
「さっきは……ごめんなさい……芙美ちゃんと……しら、とり…さん……に、会って……お話が、聞きたいです」
愛里咲の言葉に、怪訝そうだった芙由の表情がぱぁっと明るくなる。
「え?ホントですかぁ?良かった!姉も喜びます!」
そんな芙由を緊張の面持ちで見る愛里咲。
「……その代わり、私1人で…会いたい」
「え?どうしてですか?」
芙由が不思議そうに首を傾げた。
「琉ちゃんは……っ……仕事が、忙しいので……」
「そっかぁ、帰り遅いですもんね!わかりました」
咄嗟に思い付いた言い訳を、素直に受け取る芙由に、愛里咲の胸に罪悪感が募る。
それでもまだ、伝えなければいけないことがある。
「それから!場所はここではなく、外でお願いします」
「うーん…とりあえずそう伝えますね」
困ったように笑う芙由。
その瞳を見据え、愛里咲は一番伝えたいことを伝えた。
「琉ちゃんには、内緒でお願いします」
これ以上、琉に負担を掛けたくない。
自分のトラウマは、自分で解決する。
そう決意する愛里咲。
「……何でですか?」
「だ、いじな…仕事を任されているので……負担をかけたくないんです。仕事が落ち着いたら、私から話しますから」
それでも、嘘を重ねる自分自身が苦しくて、うっすらと涙を浮かべていた。

