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第14章 【終】俺の彼女の活躍
平日はどうにか誤魔化して過ごした。

でも、

休日は一緒にいる時間があり過ぎて…

「……愛里咲って隠し事下手だよな」

「ふぇっ⁉︎ 」

「挙動不審」

あっさりと勘付かれてしまう。


「いえっ!そんな事はござりませぬ!」

言葉すら不明となった愛里咲を、琉が壁際へと追い込む。


スッ…とその目が細められれば、この状況に似つかわしくないトキメキが愛里咲の胸を騒がせる。


「……言えよ」

熱に浮かされて滑り出しそうになる口を押さえ、

「言え…ません……」

俯き、その5文字をどうにか絞り出す。


「言え」

低い声に、愛里咲の身体はビクッと震える。

恐る恐る顔を上げれば、いつもの意地悪な笑み。なのにその瞳の奥は哀しげに揺れていて、

「あの…っ…浮気はしてません」

弁解するように、必死に言葉を探す。


「知ってる」

「あの…っ…ヘソクリは…ちょっとしてます……」

「愛里咲にヘソクリさせてやれる余裕があるんなら働き甲斐があるな」

言わなくてもいい事まで言ってしまったことにも気付かず、

「はい。文句も不満もありません」

上手くごまかせたと、愛里咲は満面の笑みで琉を見た。


「…………で?」

琉の両手が愛里咲の顔の横で壁に付けられれば、愛里咲に逃げ場はなくなる。


間近に迫る端正な顔から視線を逸らし、

「で?」

愛里咲は誤魔化すように聞き返した。



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