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第14章 【終】俺の彼女の活躍
「助けられなかった…」

頭を抱える琉。

「もう2度と…あんなのは嫌なんだよ」

そう言って肩を震わせる弟に、

「琉……」

掛ける言葉の見つからない翔。


重苦しい沈黙が流れる。


やがて、

ボソボソと、

いつもの琉からは考えられないような弱々しい声で、琉が話し始める。


「俺、昔からおかしいんだよ。他の男とは絶対的に違う」

「何が?」

「泣き顔に欲情すんだよ。

だからあの時も、愛里咲の泣き顔が見たくてわざと放ってた……

こんな深い傷、

付けるつもりじゃなくて……」


それが、白取との過去なのだろう。

そう感じた翔は、それ以上は聞けず、ただ、弟の肩をトントンと優しく叩いた。


「俺は…兄貴みたいに人付き合いが上手く出来ない」

「ええっ⁈ そんな事ないだろ⁈ 」

自分こそ、琉の人付き合いの上手さに嫉妬していたのに……

翔は思わず言い返す。

だが、

「あるよ。誰にでもいい顔してれば楽だから…でもそのストレスのはけ口は愛里咲だった。最低だな」

そう言って顔を上げた琉。

困ったように笑うその顔は、翔には泣いているように思えた。



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