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第14章 【終】俺の彼女の活躍
佐藤と芽衣の愛息子、陽音の泣き声が響く佐藤家。

不慣れな手付きで陽音を抱き上げた佐藤が、真剣に話す芽衣と愛里咲に気を使いリビングを出て行く。


「私はさ、旦那の栄都から聞いた話しか知らないけどさ。
芙美の妹の…芙由ちゃんだっけ?あの子、塚本部長に ”初めて” を売ろうとしたんだって」

「えっ⁉︎ 」

「それをさ、琉くんが助けたんだって」


初めて聞く話。

周りが気にして愛里咲の耳には入らないようにしていた。

だが、今となれば愛里咲の耳に入れておいた方がいいだろう。そう思い、芽衣が話し出す。


愛里咲を訪ねて会社にまで来ていた塚本。
脅しに屈することなく、それを追い返した琉。

それが元で出会った芙由と琉。
女子高生を侍らせ、悪びれる様子もない塚本に、愛里咲に対する酷い言葉を吐かれ琉が殴りかかったこと。

副社長や畑山から、白取の近況を聞いてずっと気にしていたこと。

更には、

”あの夜” の後、琉と佐藤とで塚本と白取を左遷させた時の話。


あの琉が、佐藤にはそこまで話したのだから、本当に気の置けない仲なのだろう。

なのに ”あの夜” のことは佐藤も芽衣も知らない。


「愛里咲の元彼…ほら、Wデートの時に映画館で会った!あの彼の時もそうだったけど、琉くんは愛里咲を傷付けた人に対しては冷静さを失うよね」

元彼の央汰のせいで、社内のイジメが酷くなり、セクハラも遠慮がなくなった。

後に央汰に会った時、掴みかかった琉を思い出す。


「塚本部長や白取さんの話になると怒りを抑えきれないのか、琉くんの身体 震えてるよ?

私もね、愛里咲を一人にしないようにずっと頼まれてた。

乗り越えられなくて…でも乗り越えたいのはきっと琉くんも同じなんだよ。

だけど、愛里咲が心配で仕方がないんだろうね」



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