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第14章 【終】俺の彼女の活躍
車が止まった気配に、愛里咲はビクリと身体を震わせた。

ドアが開き、アイマスクと手錠を嵌められたまま外へと引き摺り出される。

頭から布のようなものを被せられ、まるで連行される犯人のようだ。


何度も躓き、何度も転びながら、階段を何段も上る。

ドアが開く音がして、ドンッと突き飛ばされて地面へと転がった。

そのまま髪を鷲掴みされ奥へと引き摺られていく。


アイマスクのせいで視界はゼロ。

恐怖に耳が研ぎ澄まされる愛里咲。


ドタドタという足音は一人分…多分白取のものだ。

ドアの開閉音に、水を注ぐ音。

それを飲み干す喉の音が静まれば、足音がこちらへと近付いてくる。


(やだ…っ……琉ちゃん!)

恐怖にその身を小さく縮め、頭の中で何度も琉を呼び続ける。


アイマスクを外され、突然開けた視界の明るさに、愛里咲は目を細めた。


雑然とした部屋に段ボール箱が積み上げられている。


「芙美と暮らす…という名目でね。引っ越したばかりの部屋だ。芙美もこの場所は知らない」

視界を塞ぐほど近づく白取の顔。

愛里咲の身体はガタガタと震え出す。


「さて……」

どかっと、愛里咲の目の前に座った白取。

その背中に、敷きっ放しの布団が目に入り、愛里咲の顔は恐怖に凍りついた。


(琉ちゃん…っ……琉ちゃん……!早く……早く……助けて……!)

近づく白取。

その手が愛里咲の顔に向けて伸ばされ、愛里咲はブンブンと首を横に振った。

頭を動かせば、

口を押さえる為に貼り付けられたガムテープと、それに絡め取られた髪が切れたり抜けたりして痛い。

それでも、そんな痛みも構わず、愛里咲は唯一出来る首を振るだけの抵抗を続けた。



「私は左遷されて、自分より若い奴らにこき使われるどん底の生活をしてるってのに、千葉くんは結婚して子供も生まれて幸せいっぱいか」

「……っ……‼︎ 」

ガッチリと、愛里咲の髪が白取の手に掴まれる。

立ち上がった白取に、髪を引き上げられて身体を起こされる。


あまりの痛みに、愛里咲の口からは潜もった声が漏れ、その瞳からは堪えきれずに涙が零れ落ちた。


「羨ましいよ」

グッと近付いた白取の顔。
愛里咲は必死に顔を背ける。


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