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第14章 【終】俺の彼女の活躍
「白取ぃっ!」

聞いたこともないような琉の怒声。

骨の軋む音。


ずっと引っ張られて痛くて堪らなかった髪が、ようやく解放された。


両手を拘束する手錠のせいで起き上がるのに苦労しながら、どうにか身体を起こした愛里咲。

その瞳に、

「何をする⁉︎ 」

喚き散らす白取に馬乗りになる琉の姿が映った。


バキィッ‼︎

顔面へと琉の拳が振り下ろされ、白取は痛みに顔を歪める。

それでもまだ拳を振り上げる琉。


「琉!落ち着け!」

腫れ上がり血の滲む琉の拳を押さえ、翔が琉の身体を白取の上から引き摺り下ろす。


「俺は無抵抗だったぞ。警察に行けば、どちらが勝つか……わかるよな?」

殴られた頰を抑えながら起き上がる白取。その目は怒りに満ちている。


「ふざけんな!お前はどうなんだよっ⁉︎ 無抵抗の女相手に暴力振るって…っ…無理矢理…‼︎ 」

声を震わせ、俯く琉。


抵抗をやめた琉の身体を離し、翔は諭すように話し出した。


「琉、気持ちはわかるけど、感情的になっても悪い方向にしか行かない」

「はっ…弟の躾を間違えたようだな」

白取の言葉に、顔を上げ白取を睨む琉。

翔は琉の頭を無理矢理に後ろへ向けた。


「そうですね。琉、こんな奴殴ってる場合じゃないよな?」



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