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第14章 【終】俺の彼女の活躍
知らない女性が半分、残りの半分は社内で顔を合わせたことのある愛里咲の会社の女性社員たちだった。


「…………?」

不思議顔の愛里咲に、渚が微笑む。


「これ全部白取さんにセクハラされた女性たち。白取さんの行きつけのお店の人とか、愛里咲と琉くんの職場の人、あとは異動させられた先の子会社の人。
さすがに私1人じゃ声掛け切れなくて、畑山さんや琉くんに協力してもらった」


一気にそう言い切った渚。

「え?」

今だ理解の出来ない愛里咲は、顔を上げて琉を見た。


「松田さんや坂本さんがほとんど声掛けてくれたんだ」

琉の答えを待たず、渚が話し出す。


「傷の深さはそれぞれ違うだろうけど、みんなその傷を癒したいと思ってるんだよね。だから、みんなで少しでもその傷を浅くしようと思って!」

コクコクと、打ち合わせでもしたかのように女性たちが渚の言葉に頷く。


「ね、愛里咲。反省を示すなら坊主刈りよね?」

「え?」


まだ首を傾げる愛里咲に、

渚はバリカンを拾いその手にバリカンを渡した。


「そういう事なら、これ使おうか♡」

芙美が、愛里咲の手から外された手錠を持って白取へと近付く。


「やっ……やめろ!」

後退る白取を見て、

「琉、押さえて」

「翔、押さえてて?」

芙美と渚の声がハモる。


顔を見合わせ、琉と翔は白取を押さえ付ける。

芙美が、白取の両手に手錠を嵌めた。


「離せ!」

「暴れたらどこ剃られるかわかんないですよ、白取さん」

暴れる白取に、翔は肩を竦めながら言った。


「なっ……」

苛立ち……怯え……
そんな目を向ける白取に同情しつつも、

「逆らったら俺らまで坊主頭にされちゃうんで、大人しくしてて下さいね」

翔は白取の身体を椅子へと縛り付けていく。


「なんか兄貴…変わったな」

「……愛里咲ちゃんの事になると冷静さを失う琉の代わりに、いつもの飄々とした琉を真似てんの」

「は?」



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