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コンプレックス
第14章 【終】俺の彼女の活躍
「俺はずっと、誰にでも好かれる弟と比べられるのが嫌で、兄貴のくせに弟に負ける所ばっかで……コンプレックスの塊だった」

卑屈になって、

琉のことを嫌いだった時期だってあった。

「でも渚に出会って、俺は俺でいいんだって…そんな俺を好きになってくれたんだって、救われたんだ」

琉が好きだと言っていた渚。

それでも、最初から翔と琉を混同しなかった。

翔を認め、翔を見てくれていた。

「心ん中でずっと羨ましいと思ってた所は真似する!ずっと抱えてきたコンプレックスをぶち破るには変わる努力をしないとって渚が気付かせてくれた」

認めてくれる人がいるだけで、自分が好きになれる。

その人に恥ずかしくないようになりたいと、自分を変えられる。

胸を張ってそう言う翔に、

「……この状況で惚気かよ」

そう言いながら、琉もどこか嬉しそうだ。


「妬かないの!翔っ、好きだよ♡」

チュッ
翔の頬に唇を寄せる渚。

すぐに表情を引き締め、渚は愛里咲の前へとたった。


「ほら、最初は愛里咲からだよ」

「え……?」

バリカンを見つめる愛里咲。

その手に、そっと渚の手が添えられる。


「愛里咲には琉くんがついてる。だからきっと辛かった記憶も過去に出来る。これはその記念すべき第一歩」

「渚……」


渚に手を引かれ、愛里咲は白取の前へと立った。


「やめろ!この歳で丸刈りなんかにされたら…生えるまでどれだけ掛かると……っ」

大勢に囲まれ、悪態を吐きながらも、白取からは怯えた様子が伝わってくる。


(弱い…人だ……。可哀想な、人……)

ずっとずっと怖かった白取が、

とてもちっぽけで、

とても滑稽に見える。


愛里咲は、震える手でバリカンを近付けていった。


「おい!手が震えてるぞ!やるならせめてまともに…」

震える愛里咲の手は、ガシッと琉の手に支えられる。

力強い……愛里咲を…家族を守ってくれる大きな手。


「琉ちゃん……」

「おでこから後頭部まで、一気に行こうぜ」

その笑顔に、愛里咲も思わず笑みが漏れる。



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