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第15章 【おまけ】俺と弟のその夜…
「渚?聞いて?
結婚はさ、やっぱ付き合った期間で判断されるところがあるからさ……」

喜ばせようと思ったのに泣かせてしまった。

翔は慌てて渚を抱き締める。


「でも、渚とずっと居たいって思ってるから……いつか、渚をお嫁さんにしたいって思ってる」

「……うん。ありがと」

笑顔を見せる渚に、翔はホッとため息を零す。


適当な言葉で誤魔化さない。

伝えるべき相手には、下手くそでもちゃんと言葉で伝える。

そんな翔の変わり様に、渚は口元を緩めた。


「この薔薇、どうしたの?」

翔の腕の中で、見上げながら聞けば、

「これを渡して、一緒に住もうって言おうと思ってたんだ。でも配達先を間違えて実家にしちゃって……今朝早くに母親が作り置きのおかずと一緒に持って来てくれた」

翔らしい不器用なサプライズ計画に、渚はクスクスと笑い出す。


「おかずを琉くんのところに届けに行って、今日の出来事になったのね」


届けた先の琉の家では愛里咲が飛び出した後で、

その後の出来事は、渚にも小まめに連絡していた。


「翔が居なかったら大変なことになってたよ」

愛里咲のこととなると冷静さに欠ける琉だけでは、感情的になってしまいどうなっていたかわからない。

ストッパーの翔がいたからこその今日の解決に、渚は翔の唇に優しく唇を重ねた。


「それを言うなら渚だろ。あんなお仕置き、誰も思い付かないよ」

そう言って、最後に見た白取を思い出して二人で笑い合う。


「そんな渚へのご褒美!一緒に入ろ?」

「うん」

そう言って、2人で一旦脱衣所へと出た。



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