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第15章 【おまけ】俺と弟のその夜…
赤く腫れ上がったそこに触れれば、

「……っ……」

小さく声を漏らす。


─────…翔の部屋から数部屋挟んだ、琉の部屋。


ドアに体当たりした琉の、腫れた右肩に湿布を貼る愛里咲。

痛々しいその肩にそっと触れれば、琉が痛みに顔を歪める。


「ごめんね……」

それ程までに思われていた事は嬉しい。

それでも、これ程まで痛々しい痕を残すのは申し訳ない。

思わず涙目になる愛里咲。
琉の腕がそっと抱き寄せた。


「無事で……よかった……」

小さく呟かれた言葉が嬉しくて、愛里咲の口元が緩む。


「……こんなに必死になる程、私のことが好きだったんだね」


愛里咲の悪い癖だ。

スッと細められた琉の瞳に、

「ちょ、調子に乗りました!」

愛里咲は慌てて琉から身体を離した。


───が、

グッと引き寄せられる身体。フワリと包み込まれる。


「え?琉ちゃん?」

琉の腕の中で、ドギマギ顔を赤らめる愛里咲。

「ん。俺も気付かなかった」

そのおデコに、琉の唇が触れた。


(お、おデコにチューとか……っ!琉ちゃん、どうしちゃったの⁉︎ )

今にも爆発しそうなくらい、愛里咲の顔が熱を持つ。


「な、ななっ、な…何を?」

「……こんなに必死になれるなんて、な」



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