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第3章 弟の会社
「ほら、舌出せ」

言われた通り、愛里咲は口を小さく開いてチロッと舌を覗かせる。

「ちゃんとやんねぇと、いつまでもこのままだぞ‼︎ 」

そう言って、琉は思いさま腰を打ち付ける。


「ひゃっ…ああっ‼︎ 」

いきなり奥まで突き上げられ、愛里咲は身体を仰け反らせて悦ぶ。

だが、その動きも一度だけで、また琉の動きが止まる。


「や…やだ……もっと、してよ…」

涙で濡れた顔を琉に向け、愛里咲は先程よりも大きく舌を出す。

満足げに目を細めた琉は、更に意地悪く顔を歪める。


「頼み方が間違ってんじゃねぇの?」

「あ…んっ……お願、します…ンッ」

愛里咲の次の句を吸い取るように、琉の舌が愛里咲の舌に絡みつく。

「ふっ…ン…りゅ、ちゃ……おね、が…」

水音を響かせながら激しくなるキスの合間に、愛里咲は必死に懇願する。


「やだね。ちゃんと”お願い”出来なきゃしてやんねぇ」

それだけ言えば、琉は完全に愛里咲の唇を塞いでしまう。


唇を塞がれれば、その”お願い”を言葉にする事も出来ない。

両手は縛られて琉の身体を押し返す事も出来ない。

腰はしっかりと捕らえられ、自ら快楽を貪る事も出来ない。


苦しくて、悔しくて、もどかしくて、

愛里咲の瞳からは幾筋もの涙が零れ落ちていく。

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