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第4章 俺は琉じゃないよ?
愛里咲に元気がない…

そう話す翔を、渚は複雑な気持ちで見つめる。


(私も元気ないんだけどな…)


初めての社外での業務。

ミスした訳ではないが、それは仕事を任されていないだけだと痛感している。


今日 白取に言われた事も、渚の心に重くのし掛かる。

言われる前に気付き、翔のサポートをしたい…

そう思うのに、何をどうすればいいのか、今だに半分くらいしかわからない。


そして、

白取からのセクハラ…

ああいう事も、今日だけではなく度々あった。


誰にも相談出来ず、渚も1人悩んでいたのだ。



「……どうしたら愛里咲ちゃんの元気が出るかな?」

翔に顔を覗き込まれ、渚はハッと我に返った。

「あ……えっと……

何を悩んでいるのか、私が話を聞いてみましょうか?」


(なんて……

私が子育ての悩みなんか答えられる訳ないのに……)


ありがとう!と嬉しそうに笑う翔とは裏腹に、

渚は自嘲気味に零れ掛けたため息を飲み込んだ。

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