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第4章 俺は琉じゃないよ?
「お邪魔しましたぁ!

バイバイ、陽花ちゃん、陽向くん!」

名残惜しそうに、渚の手が双子の頭を撫でる。


「送ってくる」

翔の言葉を残し、玄関には、琉と愛里咲と双子が残された。


「……………」

何か言いたげに、愛里咲が琉を見上げる。

「……何?」

「…っ、え…っと……」

助けを求めるように、愛里咲の視線が腕の中でスヤスヤと寝息を立てる陽向へと向けられる。


「2人共寝たな。部屋戻るぞ」

陽花を抱きながら歩き出す琉。

その後ろを、陽向を抱いた愛里咲が追い掛ける。


「渚……白取、さん…っ…に、セクハラ……されてるって……」

ベビーベッドでスヤスヤ眠る双子の頭を撫でながら、愛里咲はボソッと呟いた。


「……っ……」

その、名前に…

愛里咲の口から出た白取の名前に、

琉は一瞬苦しげに顔を歪めた。


だが、

「懲りない奴だな。

でも、契約も決まったみたいだし、会うこともなくなるじゃねぇの?」

愛里咲が顔を上げたのに気付き、いつものように口端を意地悪く持ち上げる。


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