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第5章 『俺』の気持ち
「そういえば、今日は双子ちゃんは?」

陽音を見つめていた芽衣が、思い出したように顔を上げる。


「あ、預けてきました。明日には自宅に帰るから、寂しいみたいで…」

「明日かぁ…大変になるね」


3ヶ月間の同居生活を終え、明日には自宅に戻る琉と愛里咲。

明日から1人で双子を見ることの不安も大きいが、愛里咲にはそれも楽しみの一つだったりする。


「芽衣さんは退院したら里帰りするんですよね?」

「うん、1ヶ月帰らせてもらう」


とはいえ、佐藤と暮らすマンションから芽衣の実家はほんの数分。

1人は寂しいを連発して訴えた佐藤に、芽衣が折れて佐藤と共に里帰りする事になったと聞いていた。



「1ヶ月は外で歩けないからさ、愛里咲が遊びに来てね」

「はい! 佐藤さん曰く ”三つ子” ですもんね。会いに行きます」

笑い合う愛里咲と芽衣。


「三つ子じゃないし、全然似てないだろ」

愛里咲の横から琉がひょこっと顔を出し、芽衣の腕の中で眠る陽音を覗き込む。


「陽向と陽音とどっちの方がイケメンになるかなぁ? 楽しみだな」

陽音を覗き込みながら、佐藤もすっかり親バカな顔をしている。


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