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第5章 『俺』の気持ち
「琉の奴、電話出ない!」

双子の泣き声が止まない夏川家のリビングで、翔が焦ったような声を上げる。


「翔! 電話するなって言ったのにしたの⁈ 2人で出掛ける機会なんてないんだから気を利かせなさい!」

陽向を抱えた母親が、翔の携帯を取り上げる。

特によく泣くのは陽向の方で、母親は既に汗だくだ。


慣れない手付きで父親が陽花のオムツを換えれば、ようやく陽花の泣き声が止んだ。

それならばと、陽向もベッドに寝かせてオムツを開く。


「愛里咲ちゃんに電話する⁈ 」

取り上げられた携帯を取り返し、翔は今だ泣き止まない陽向を覗き込む。


「ダメよ! たまには2人でのんびりさせてあげなきゃ」

オムツを取りに母親が立ち上がる。

先に汚れたオムツを外してしまったため…


「けど…っ…うわっ⁉︎ 」

「かっ、かかか母さん⁈ 陽向が発射してるぞ‼︎ 」


陽向の前にいた翔のジーンズが濡れていくのを見て、父親が慌てて叫んだ。



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