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・甘い夢 灯の煢・
第3章 再び
可愛らしい顔に眉ねを寄せる夢雪。


まだラッシュには早かったがそれなりに人はいた。前に座っている男性が携帯を触る振りをして話に耳を傾けていたのを分かり紗姫は目線を向けると、目を逸らしたのがその証拠だ。


「またそんな自信なげな話を~そんなの当たり前じゃない」


それにうんうんと頷いている男性が目の端で感じ、そうよねとツッコミをいれたくなるのを堪えた。


「煢君なんて海外にも修業に行ってたくらいなのに、モテないわけないじゃない。女性の扱いだって慣れてるに決まってるでしょ。あんなにルックスも良くて。優しいのに。」


「そうよね。だからね、あのパーティー最中もずっと人だかりだったのは目にしてたからなんで私に話掛けてきてくれた全然、分からないの。」


「そんなの夢雪が可愛いからに決まってるでしょ~もっと自覚、持ちなさいよ。」


それにう~んと言う顔をする。のに前の男性を露骨に見て、ねっと心で訴えた。つい頷いてしまう男性、不思議な連帯感がおかしかった。


「でも私、紗姫ちゃんみたいに自信なんてないし、華道は好きだから続けられてるけど先生のお陰でだし。お嫁入りの特技にはならないわ。」


「夢雪には素晴らしい事、沢山あるわよ。人とすぐに打ち解けれてみんながいい環境でいられる。学祭だってそれで どんなに楽しかったか。」


「そんなの昔話よ~ただ人には親切にって父、母に言われてるしみんなが幸せでいられたらなって思うから。」


「それが凄いの、私は私の幸せだけよ。あとは私の好きな人達だけ。もっといろんな事に目を向けて。」


それにそうかなぁ等と言ってる夢雪に、焦れったさを感じるのはいつもだった。


「とにかくメールして、私も逢えるの凄く楽しみですとか。ずっと逢いたかったとか、どうなのじゃあ本心は?」


覗きこまれ、考える耳まで真っ赤な彼女の初々しさが何処からくるのかいつも羨しく思った。


「確かに会って確かめたいなとかは考えたけど、一度きりでは分からないもの」


「いつも時間、掛かるものね。始まってりのよもう。」

「うん~ゆっくりでいいの。」
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