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・甘い夢 灯の煢・
第3章 再び
そんな姿を見逃すはずのなかった 紗姫。
「何、可愛らしくメール見て頬を赤くしてるの、口元もゆるゆるよ。」

それに、声を落としてと囁く夢雪だった。まだ電車の中だった二人、だが先程から注目を浴びていたのは当然だった。

紗姫の美しい整った顔立ち、長い艶やかな黒髪に白い肌。

まるで白百合を思い起こさせる気品、なんだかんだといいながらも二人の通う女子高は良家のお嬢様が通う進学校だった。

紗姫の父は国際関係の貿易の船に乗る船長であり、母は華道の師範で躾には厳しい。

そんな中で育てられた彼女だから、自由奔放ではあるが曲がった事は嫌いで一途ではある。

今日の軽やかな春コートは真っ白なファ付きの軽いウールに、中はビビッドなサーモンピンクの春ニットに短い丈のスカート。

二人の対象的な姿にはいつも回りの、男性の目を引く。

夢雪は柔らかい淡いモスグリーンのコートに中は桜色のワンピースだった。髪は淡い茶色でまるでフランス人形のようだと言うのが、紗姫の第一印象だった。

夢雪は一般公募により高校から入ってきたので、色々な不便があったのを紗姫がクラス内の代表でお世話をしていて、たちまち二人は仲良くなり、それ以来十年越しのお付き合いとなった。

公務員の父と本当に普通家庭で育った夢雪にはお嬢様学校には、成績が優秀であることで特待生として入りその秀でた頭脳で学校では一目、おかれたのだ。

そんな二人が電車の中で目立たないわけがない。二十代の時とは違う輝きが二人を包んでいた。
まだ見た目だけだと、三十代などには確かに見えなかった。
男性達が、聞き耳をたてつつ何度もちらっと二人を見ている。それを紗姫は常に、意識し知っている。

が、今だに夢雪はそれに慣れなかった。紗姫と一緒にいるからだとしか思っていなかった。しかしそれが間違いだと、知っていたのは紗姫だけが知っていた事かもしれない。

もっと自身を持ってと、言われもう十年以上だったのだから。

「煢さんからメールきたの。今日はシェフ担当になれたから、デザートまで楽しませますって。それで煢さんらしいなって思ったから、わざわざ気遣いしてくれたのかもって。」

それに目を輝かせたのは、紗姫の方だった。

「そんなの当然じゃない~夢雪ったらまたそんな鈍い事、言って。二週間あっちがどんな思いだったか分からないの?」

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