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シーツのお供
第4章 先生!
糸は、結構長く結ばれているらしかった。



先生の爪がじっくりと糸の上を滑る。


「う゛う゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ーーーーーーーーーー!!」

やめて!やめて!気が狂っちゃう!


そう思い始めてから、更にその倍の時間、爪は糸の上を滑った。



楽しそうにその爪は何度も往復する。


「ヴァイオリンなんかの弦楽器はこうやって音を出すね」


そんな解説まで付けて。



「ああ、ヴァイオリンといえば、こんな風に音を出すこともあるよね」

「ぅふぁぁあッッ!!」

ぴんと張った糸を、指先でピンッと弾く。

それに倣ってクリップが跳ねた。



もう、本当に勘弁してほしい…



目で訴えると、少し困った顔をした先生。




「…うーん…」


なにか考えているようだ。


だけど本当にもう限界。


自力で立っていられない…









「あんまりやりたくなかったんだけど、仕方ないよね。」



なにかを思いついたらしい先生は、私の腕を吊っていた鎖を外した。




急に支えるものが無くなった私の体は先生のほうへ倒れこんだ。



「おいで」



だっこされて運ばれたのは、実験器具が散乱したテーブルの、その隣のテーブルだった。
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