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年上Lovers♡♡
第1章 数学講師の加藤先生
私の先生に対する気持ちは伝えちゃいけない。それは、先生と生徒という関係だから……
それに、この関係だけじゃなく、私があと2週間でここを去らなければならないから…。告白したって、…意味がない。
「……先生、わたし…好きなんだよ」
部屋の隅にまとめてある私の荷物を見て、少し泣きそうになった。頑張って合格して嬉しいはずなのに、この苦しい気持ちはずっと離れてくれない。
「ほんとに、西山さんは頑張ったよ!入ってきたときはどうなるかって思ってたけど!」
「塾長の言う通りですよ!もう数学とか……、今でも思い出すと笑える…」
「なんか私の扱いひどくない!?」
とうとうお別れ会の日になってしまった。
「んー、やっぱり寂しいなぁ…」
「一生戻ってこーへんって訳じゃないやろ?」
加藤先生が私の顔を覗きこんで笑う。
「また、泣きそうな顔して~…、いつでも戻ってこればいいやん、なっ?」
「…んっ、ありがと先生、…渡すものあるの。」
手紙を先生に渡すと加藤先生は目を丸くする。
「……こんなんもらったんは初めてやなー…今読んでいい?」
「帰ってからにして!」
「冗談やって!…ありがとう」
私の頭に手を置いてそっと撫でる。そんな動きに切なくなってしまう。