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年上Lovers♡♡
第1章 数学講師の加藤先生
「…実はな俺も今日で最後」
――…えっ?
「…最後って?」
「西山さんと一緒、今年は本格的に就活しなあかんからなーっ!」
そう言って伸びをする先生…、一気に存在を遠く感じてしまった…
「じゃあ、…ここにきても先生は…」
「ん、おらんよ」
胸がぎゅっと締め付けられる…。先生とは…もう会えないの……?
「だから、お別れ会なんやろ?……大学では勉強も追いつけるように、まぁ遊ぶのも大事やけど、…頑張れよ」
そう言って私に背を向けて騒いでる子のところに交じり笑ってる先生を、私は一歩も動かずにただ見つめていた。
そろそろお別れ会がお開きになり、片付けが始まっていた。
「ゆぅ、今日は加藤先生と帰りなよ〜」
高校は違うけど、授業の時間が同じで一緒に帰ったこともある智美に言われた。智美にはずっと加藤先生のことで相談に乗ってもらっていた。
「でも智美と帰るのも最後…」
「私はいつでも遊べる!まだ出発まで一週間は残ってるから遊べるし、メールして遊ぼ!とりあえず加藤先生に約束つけてき!」
「…ん、わかった…」
智美に背中を押され先生の所まで歩く…。…で、何て言ったらいいの!?
「…ねー、先生?」
「ん?どした?」
「……今日、一緒に帰りたい…。」
「え、でも俺片付けあるし、きっと先帰るよう言われてるよな…?」
「でも、帰りたい!…お願い、外で待ってるから、…いい?」
加藤先生は少し困った顔をして、先生達の荷物の所へ行った。
困らせてしまった…かな…
そう思ってたら先生が出てきて、私の首に紺色のマフラーをぐるぐる巻いた。
「…うっ、首しま…る…」
「すぐ行くから待ってて」
そう小声で言ってゴミを片付けていった。
耳元で囁かれ恥ずかしくなりマフラーに顔を埋めると先生の匂いがしてまた恥ずかしくなってしまった。