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第1章 数学講師の加藤先生

「今までありがとうございました。」

「こちらこそ、先生がいてくれて助かったよ。先生がいなくなって寂しがる子も多いだろな～…」

「…そんなことありません」

「ふっ、まぁいいか。…人待たせてあるんじゃないのか？」

「……えっ」

「本部には内緒にしといてやる、今までよくやってくれた。感謝してる。」

「…ありがとうございます、…失礼します。」



ドアを閉めて階段を降りる。塾長に言われた言葉が耳に残る。

…まさか、アイツにはバレてないよな…

最後までいいやつで終わろうと思ったのに……一緒に帰るって…俺の今日の努力はなんだったんだって話だよなー…





…俺は…これでいいんだよな…？