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第2章 ハブの毒牙

「お、お願いです。 これ以上は……。 私が言うことを聞けば許してくれるって、言ったじゃないですか！」
「ああ、そうだな。 だから、俺が依頼者には少々時間をかけてじっくりと仕事しますからって、待ってもらってるのさ。 こっちは金にさえなればいいんだからな。 お前のダンナをただ殺したって、つまんないんだよ」
「殺す……って」
美雪はあっさりと羽生が言い放つ言葉に目まいを感じた。
この男は、人を殺すことさえ躊躇しない。
金で人を殺すことすら平気で口にする。

「お、お願いです、主人を……。 主人を助けて下さい」
美雪の声は低く震えていた。
「ああ、お前もダンナが生きてたほうが頑張りがいがあるだろう。 さあ、続けろ」