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第4章 蛇蝎の槽

すでに複数でレイプされた上に、ステージで醜悪なショーまでやった羽生菱二には、うんざりしていた。
せめて、あの場に安代社長がいれば、それで十分、宅間の目的は果たせたのだ。 これから、社長にあわせるということは、また安代美雪を犯すつもりなのだろうか。
宅間真は万が一のことを考えて、懐にナイフを忍ばせていた。
相手はヤクザ、しかもその根城で一人暴れてみても、結果は知れている。
だが、妹達を失った自分など、もう、安い命だ。 せめて羽生菱二と刺し違えれば本望、そんなことまで考え、宅間は車を走らせていた。