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近くて甘い
第7章 水平りーべ
私の言葉に、光瑠さんはさらに慌て出した。



「待てっ…あいつは脚色するに違いないっ…俺が言うから取り敢えず待てっ…」



私は振り返って、観念したような声を出した光瑠さんを見た。


チッと舌打ちしながら床を見る光瑠さんは、あーとかうーとか言いながら、頭を掻いた。



「…っ…かか…た…」


「え?」



声が小さくて聞き取れずに聞き返すと、光瑠さんは顔を上げて眉間にシワを寄せた。



「昔っ…顔をひっかかれたっ!!!」



それだけ言って再び頭を掻く光瑠さんを私はしばらくじっと眺めたあと、プッと吹き出して笑った。



「っ…聞いておいて笑うなっ…!」



怒鳴った光瑠さんに反応してサキちゃんがまたウゥッと唸ると光瑠さんは途端に静かになった。

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