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近くて甘い
第7章 水平りーべ
光瑠は他の猫とは違って容器に入ってぐったりするユリを見た。



「こいつか、骨が折れてるのは」



真希はそうですと返事しながら、ユリにミルクを飲ませる。



「ユリちゃん、光瑠さんだよー。」



ユリに話し掛ける真希の傍で光瑠はじっと黙る。



「怒鳴ってばかりで素直じゃないけど……」


「っ…お前なぁっ!」


「あ、ほら。」



言い返せずチッと舌打ちをして目をそらす光瑠を見て真希が微笑みながら、再びユリをみる。



「でもね…あなたたちを飼っていいって言ってくれたし、本当はとっても優しいから安心してね…。」



光瑠は真希の言葉に視線を下にしたまま、目を見開くと、ゆっくりと真希の横顔を見つめた。



「……早く…良くなってね…」



いつになく優しい声。


やはりまだあどけないといつもは痛感するが…


しかし、今日のユリに接する真希は母親のような顔をして、いつも以上に優しさと強さを兼ね備えているような気がした。
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