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近くて甘い
第19章 両想いの星

3泊4日のこの旅行のうち、もともと遊ぶためにとっていた最後の1泊を、結局光瑠さんの別荘で私たちは過ごすことになり、みんなでここに来ていた。


充分友だちたちとも過ごせたし、光瑠さんが、来い来いうるさいから来た訳だけど……



「……梨子…ごめん…俺ここまで稼げるようにはなれないかも…」



項垂れる亮くん。


「……当たり前だろ…」


呆然とする浩平くんの隣で愛花ちゃんは苦笑いしていた。



初日、何故か浩平くんは元気がなかったけど、何となく愛花ちゃんと仲良さそうになっている。


このまま二人がうまくいけばいいな…そんなことを思いながら、私はゆっくりと別荘の中に入った。



高い高い天井…

暖かい雰囲気…

木の香り…



「狭いな…」


ぽつりと光瑠さんが呟いたのを聞いて、要さん以外のみんなが目を見開いた。



「っ…ちょっとっ…ここが狭いってあんたいつもどんな家に住んでる訳!?」



「あっと……」



確かに…
有川邸に比べたら、ここは狭い。

でも有川邸の規模は、もう半年近く住んでいる私も未だに全てを把握出来ていないほど広いし…



「……今度、ぜひ来て…」


あの広さは来ないと分からない。

とりあえず、私が今でも迷子になることを伝えたら、梨子は卒倒しそうになってしまった。
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