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近くて甘い
第19章 両想いの星
光瑠さんが叫ぶと、古畑さん、要さん、そして周りのメイドさんたちが、そっぽを向いて、頭を掻き始めた。



「みなさん、何か言いたげですけど?」

「っ…何なんだっ一体っ!! 俺が気遣うのがそんなにおかしなことかっ!」


そりゃもう違和感バリバリだ…


それでも、きっと、友だちがいるから本当に愛花ちゃんに気を遣ったんだろう…


少し光瑠さんの成長を見たような気分になった私がふふふと笑っていたら、隼人がお腹空いたーーー!!と叫んだ。



それぞれ用意された個室に荷物を置いた私たちは、すぐに大きな立派な料理が用意された部屋へ行ってご飯を食べた。


「はぁっ…帰ったら、すっぽかした分の仕事を──」


「酒田、しらけることを言うな…」



頭を抱えて、要さんがふざけたように笑ったのを見て、梨子もつられて笑った。




「夜、梨子の部屋に忍び込んでい?」


「やだ」


目をキラキラさせていた亮くんはすぐさま梨子に振られてしょげているのを、浩平くんと愛花ちゃんが笑う。


光瑠さんは…


「あっ!またそうやって嫌いだからってブドウを隼人に上げて!」


食後に出されたブドウを膝に乗せた隼人にこっそり食べさせていた。


「えっ…ブドウ嫌いなんすかっ!?」


すかさずバカにしたように突っ込んだ亮くんに目くじらを立てる光瑠さんを見て、要さんがまたバカにしたように笑った。



笑いの連鎖…



まさか、自分の友達と有川商事の人たちでこんな風に楽しいときを過ごせるなんて───…



「真希、ニタニタしてるよ?」


「うん…だって…幸せなんだもん…」



周りを見渡しながら、私はそう呟いて、微笑んでいた。
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