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第2章 『男の影』

俺達の部署の中は二つに分かれている。

一つは俺と英介のいる海外の支社と連携している課。

俺達のトップにいる男は信頼のおける男で、その下にいる俺達は仕事もスムーズに進み業績も下がる事のない課だ。

海外組の俺達は全員、基本の英語そしてフランス語、ドイツ語とあらゆる国の言葉を話せなければいけない。

俺達の課は仕事中は、殆ど日本語は耳にすることはない。


もう一つの課は、もちろんキャリア組だが日本の企業相手の課だ。

トップの男は、いつもムスッとしている 『石神秀樹』 そしてこの石神の金魚のフンのような男 『貴志衛』という、見るからにだらし無い風貌の男だった。


この石神率いる課は海外組の俺達の課を常に目の仇に思っているようだった。