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恋セヨ乙女
第16章 真優と大地
――――今日はクリスマスイヴ。
イエス・キリストの生まれた前夜。


二千十数年前の今日、マリアはイエスを産む苦しみの中にいたのだろうか。


神聖なはずの夜、私は淫らな事をしようとしている。
けれども淫らな行為の真には生命がある。
反せばセックスは命を産み出す神聖なものとなるのではないだろうか。


処女懐胎したという聖母マリア。
マリアは愛を知らぬまま神の子を授かったのだろうか。
それとも本当は誰かと肌を合わせて…


だとしても私はマリアを穢らわしいとは思わない。
人を愛することは罪じゃないから。
愛の先にセックスがあり命が宿るのだと思うから。


ただ、今の私たちは命を育むには早すぎて…


小さな袋を千切り大地が中から避妊具を取り出す。
初めて見た男性器は私の想像より遥かに…


「………」


…こんなのが私の中に入るのかな、なんて不安が過った。


「真優、挿れるぞ」


ギシッとベッドをきしませ大地が覆い被る。


「うん……」


でもきっと大丈夫、大地となら…




クリスマスイヴの今日…
神の子イエスがこの世に生まれようとしていた今日…




「怖い?」


「……平気」




私は命の源を知る。




「痛かったら言えよ」


「うん…」



入り口に大地のものが宛がわれ、私はそっと目を瞑った。


ゆっくりゆっくり…
少しずつ大地が私の中に挿入っていく。



―――その裏で今日がクリスマスイヴで…先生の誕生日だと…


大地の圧を受けながら思い出していた。




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