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恋セヨ乙女
第17章 セックスレス
そんな風に見えたことはなかった。
むしろ優しい人だって…


「もしそう見えないなら今の世界が肌に合ってるからかしら」


「………」


「…真優ちゃんは私の友達に似てるわ」




――――今日の鞠華さんはいつもよりお喋りだ。
そんなに知ってる訳じゃないけど私の中の鞠華さんと少し違う。



「中学からの友達でね、大学まで一緒で。私とは正反対の子なんだけど何故かよく一緒に居たわ」


「…その人とケーキ食べに行ったりしないんですか?」


「今は……疎遠なの」


鞠華さんに影が落ちる。


「遠くにいるんですか?」


「いいえ、以外と近くに。でもね、会えないの」


「………」


「私が彼女に酷いことをしたから」



――――それ以上は触れられない。踏み込めない話に困惑してしまう。



「…そんな顔しないで。でもね、会いたいなって最近思うのよ」


「………」


「会って謝りたいなって。…許してもらえないかもしれないけどね」


鞠華さんはコーヒーを口にして「あ、美味しい」と呟いた。
…その話がまるで何でもないかのように。


逆に考えれば許されることを諦めているようにも思えた。



「…お友だちも会いたいんじゃないでしょうか」


「だといいけど……多分ないわね」


「でも鞠華さんの気持ちは伝わるって…そう思いたいです」


うまい言葉が浮かばない私の精一杯の本音。
私は鞠華さんを深くは知らないけど悪い人には思えない。


「……本当あなたは私の友達に似てるわ」


クスクス鞠華さんが笑う。


「私も丸くなったのね、…その気持ちが嬉しいわ、素直に」


それから伝票を手に取り「行きましょう」と席を立った。


私は鞠華さんの華奢な後ろ姿を見ながらついていく。


「ごちそうさまでした」


ペコリとお辞儀をしてお礼を言う。


「いいえ、楽しかったわ。……あ、私スタジオに寄っていかなきゃだからここで」


「はい」


そして鞠華さんとそこで別れる。


家が近い鞠華さんとはよく会うから、何も考えず普通に別れた。


でもそれから不思議と鞠華さんと会うことはなくて……


鞠華さんのアパートの一室のカーテンが外されてることに気づくのは……



もう少し先、



また桜が咲く頃の話。

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