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恋セヨ乙女
第17章 セックスレス
「…まだいくんですか?」


「ええ、まだ全然」


さすがの私も6個が限界だというのに鞠華さんは私の記録を軽々越えて……



「すみませーん!天使のチーズケーキとザッハトルテ、あと…いちごショートください」


「………」


鞠華さんのフォークは止まらない。
この細い体のどこに入っているのだろうと心配になってくる。


「鞠華さん大丈夫ですか?」


「全然」


「甘いもの食べないって言ってたから嫌いなのかと思いました」


アイスティーを飲みながら食べ続ける鞠華さんを見ていた。


「…帰って無理に吐いたりしないでくださいね」


「しないわよ」


…それにしても元々細い人だけど更に痩せた気がする。
その食欲と体の細さはどうしても比例しなくて心配になった。


鞠華さんがやっとフォークを置いたのはそれからもう一度おかわりをしてからのことだった。


「…大丈夫ですか?」


「最高よ!」


満足そうに鞠華さんが椅子にもたれ掛かる。


「私ね、本当は甘いものが好きなの」


愛しそうに食べ終えたお皿を見つめる鞠華さん。



「ケーキ食べたの何年ぶりかしら」


「ハハ、空白の期間を埋められるくらい食べちゃいましたね」


「誕生日にさえケーキなんて食べなかったわね…」


何か懐かしいものを思い返すような視線にそのことに深く触れていいものか迷ってしまい言葉を失う。


「…こんな風に女の子と過ごすのも久しぶりだわ」


「………」


「私、そんなに友達が多い方じゃなかったの。キツいから」


「そう…ですかね?」


「そうなのよ」
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