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恋セヨ乙女
第19章 新しい季節
大友くんは大地をニヤニヤ笑って「仲いいんだなとからかった。


「真優ちゃんいつ帰るの?」


「明後日、大地と一緒に…」


「そっか、じゃあこれでサヨナラかな?」


「うん、またいつか」


「俺のこと忘れないでね」


大友くんが私の手を握ると大地が凄い勢いでその手を離させた。


玄関で並んで大友くんを見送ると大地が突然抱きついてくる。


「二人っきりになった途端甘えんぼ?」


「いーんだよ、ずっと我慢してたんだから…」


……確かに。




夏休みが終わればまた大地と離ればなれの日々が始まる。


今まで会いたい時にはすぐ会える距離にいたから離ればなれはやっぱり寂しいなって…


玄関で大地と舌を絡めながら思った。


「真優壁に手ついて」


「………」


「もっと腰出して…そう」



―――卒業後、大地は地元に帰るつもりでいるみたいだけどそれさえ言い切れる話じゃない。
私だって……


「あっ…」


離れた分の見えない時間は相手を信頼してても不安なもの。
それが何年にも増えていって…もしかしたら卒業してからも。


それは果てしなく長いことのように思えた。


「…何考えてんだよ」


「………」


「俺といるときは俺のことだけ考えろ」


「ああんっ!」


私を押し付けるように大地が中に挿入ってくる。


総ての不安は快楽が一瞬にして拐っていく。
それは大地も同じなのだろうか。
いつもより熱い手のひらで、唇で後ろから攻め立てられ私の思考はそこで止まる。


不安定な気持ちさえ性欲に変えて私たちはその日激しく交わっていた。

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