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恋セヨ乙女
第21章 浮気の境界線
家のインターホンを鳴らすと驚いた顔の母親が玄関を開けた。
「どうしたの大地!?」
「帰ってきた」
「連絡くらい入れなさいよ」
「ちょっと出掛けてくる」
玄関に荷物を投げ家を出ると母親の文句が聞こえてくるが今はそれどころじゃない。
そのまま真優の家のインターホンを押す。
出たのはおばさんで、真優は出掛けているという。
「どこ行ったんだよ…」
しばらくその辺を歩き回ってみるが真優は見当たらず、心当たりもないので家に戻る途中、反対車線の歩道に真優を見つけた。
「真…… 」
真優、と声を掛けかけて止まる。
……真優が男といたからだ。
「今日はありがとうございました」
「真優ちゃんの気持ちが落ち着いたなら良かった」
「怜奈さんにもありがとうって伝えてくださいね」
二人は穏やかに談笑している。
俺は遠くから二人を見ている。
――――パラパラと自分の中の何かが崩れていく気がした。
それから二人は別れた。
俺は真優を追い、家の近所の公園の前で真優を捕まえる。
「大地!?」
真優が俺を見て驚いている。
「…さっきの男、誰?」
「さっきって…」
「新しい男?」
「何言ってるの?あの人は塾のバイトの先輩で…」
「ああ、“佐藤さん”ね」
「………」
「今日バイトだったのかよ。何で一緒にいるんだ?」
「…大地の話聞いてもらってた」
「二人きりで?」
「佐藤さんの彼女も一緒」
「嘘だろ?」
「嘘じゃないよ。バイトがあるから彼女は先に帰った…」
気がつけば真優の手首を強く掴んでいた。
真優は怯えた顔で俺を見ている。
……こんな顔をさせたいんじゃないのに。
「どうしたの大地!?」
「帰ってきた」
「連絡くらい入れなさいよ」
「ちょっと出掛けてくる」
玄関に荷物を投げ家を出ると母親の文句が聞こえてくるが今はそれどころじゃない。
そのまま真優の家のインターホンを押す。
出たのはおばさんで、真優は出掛けているという。
「どこ行ったんだよ…」
しばらくその辺を歩き回ってみるが真優は見当たらず、心当たりもないので家に戻る途中、反対車線の歩道に真優を見つけた。
「真…… 」
真優、と声を掛けかけて止まる。
……真優が男といたからだ。
「今日はありがとうございました」
「真優ちゃんの気持ちが落ち着いたなら良かった」
「怜奈さんにもありがとうって伝えてくださいね」
二人は穏やかに談笑している。
俺は遠くから二人を見ている。
――――パラパラと自分の中の何かが崩れていく気がした。
それから二人は別れた。
俺は真優を追い、家の近所の公園の前で真優を捕まえる。
「大地!?」
真優が俺を見て驚いている。
「…さっきの男、誰?」
「さっきって…」
「新しい男?」
「何言ってるの?あの人は塾のバイトの先輩で…」
「ああ、“佐藤さん”ね」
「………」
「今日バイトだったのかよ。何で一緒にいるんだ?」
「…大地の話聞いてもらってた」
「二人きりで?」
「佐藤さんの彼女も一緒」
「嘘だろ?」
「嘘じゃないよ。バイトがあるから彼女は先に帰った…」
気がつけば真優の手首を強く掴んでいた。
真優は怯えた顔で俺を見ている。
……こんな顔をさせたいんじゃないのに。