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恋セヨ乙女
第22章 新生活
「…鈴村さん、朝の質問だけど」


「………」


「黒歴史かと聞かれれば黒歴史だった、生徒に手を出すなんて最低だからね」


「そうですか…」




やっぱりね…


覚悟はしてたけどやっぱり辛い。



「でも後悔はしてない…逆に鈴村さんは?」



「私は…」


空に咲く華を見上げ考えた。



「…ずっと“ズルい”って思ってました」



“後悔してない”の意味何だろう。
話ながら言葉の真意を考える。


でも思い付くものは全部都合のいいものばかりで慌てて打ち消した。


「ズルい?」


「……ズルいです。昔も…今も」


泣きたくなってきた。
先生と関わると私は絶対翻弄される。


夢の終わりを告げる花火はあまりにも綺麗で…


―――――ふと影が過る。
見上げた空は遮られ、ぼやけた肌色が広がった。


唇に触れる柔らかな感覚。


……先生、本当にあなたはズルい。


いつも何も言わずに私に触れる。
身体だけじゃなくて心まで…


私は先生に触れられると抗えない。
理屈じゃなくて、言い訳じゃなくて、先生に触れられることが正しいとさえ思えてしまう。



芯まで溶かして甘く疼かせて…





私の心まで拐っていく…




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