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恋セヨ乙女
第22章 新生活
「マユ…」
眉間にシワを寄せて先生は呟くけれど…
「…今の犬のほうですよね?」
「……」
「ちゃんと私を呼んでください」
黙り込んだ先生は、私の視線に観念したように呼んでくれる。
「真優…」
「…………」
「…うわ、なんだコレすげー恥ずかしい」
片手で口元を覆う先生の顔は真っ赤。
呼ばれた私だって…本当は恥ずかしい。
「二度目ですね」
「えっ」
「修学旅行の夜も名前で呼びました」
「………」
「黒歴史ですか?あの夜は…」
責めるつもりじゃないけれどずっと聞いてみたかった。
先生が口を開き掛けたとき、ゲートが開いた。
「あっ、オープンしました!走りますからね!!」
「えっ…ああ……」
答えから逃げたのは多分怖かったから。
先生の口から聞くのが怖かったから……
それから私は先生を連れ回しネズミーランドを満喫する。
先生は何だかんだと付き合ってくれて今、最後の花火を二人で見ている。
「先生、今日はありがとう」
「…ホラ“先生”」
「あっ…」
結局、事ある毎に私は「先生」と呼んでしまい、先生は私を「鈴村さん」と呼んでいた。
二人でクスクス笑ってやっぱり自然が一番いいよねって…
私たちの距離はきっとそれが一番心地いい距離。
近づいても近づいても「先生」と「鈴村さん」以上にはなれないんだと思った。
眉間にシワを寄せて先生は呟くけれど…
「…今の犬のほうですよね?」
「……」
「ちゃんと私を呼んでください」
黙り込んだ先生は、私の視線に観念したように呼んでくれる。
「真優…」
「…………」
「…うわ、なんだコレすげー恥ずかしい」
片手で口元を覆う先生の顔は真っ赤。
呼ばれた私だって…本当は恥ずかしい。
「二度目ですね」
「えっ」
「修学旅行の夜も名前で呼びました」
「………」
「黒歴史ですか?あの夜は…」
責めるつもりじゃないけれどずっと聞いてみたかった。
先生が口を開き掛けたとき、ゲートが開いた。
「あっ、オープンしました!走りますからね!!」
「えっ…ああ……」
答えから逃げたのは多分怖かったから。
先生の口から聞くのが怖かったから……
それから私は先生を連れ回しネズミーランドを満喫する。
先生は何だかんだと付き合ってくれて今、最後の花火を二人で見ている。
「先生、今日はありがとう」
「…ホラ“先生”」
「あっ…」
結局、事ある毎に私は「先生」と呼んでしまい、先生は私を「鈴村さん」と呼んでいた。
二人でクスクス笑ってやっぱり自然が一番いいよねって…
私たちの距離はきっとそれが一番心地いい距離。
近づいても近づいても「先生」と「鈴村さん」以上にはなれないんだと思った。