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恋セヨ乙女
第23章 家庭訪問
翌日、実家に帰るためアパートを出ると先生が車を洗っていた。


昨日のキスが一瞬過る。
でも…


「先生、おはようございます!昨日はありがとうございました!」


先生は私を見て「おはよう」と微笑んだ。


「夕べ遅かったのに早起きですね」


「鈴村さんが遅いんじゃない?」


「休みだからいいんです…」


確かに「おはよう」には少し遅い時間。
電車を気にしてスマホを見た。


「あっ、先生。話の途中ですけどまた」


「…どうせ寝坊してギリギリなんだろ?」


「ギリギリ間に合うからいいんです」


それでは、と背中を向けると先生が言った。


「乗せて行こうか」


「えっ、悪いですよ」


「別に…暇だし」


「………」


磨き上げたばかりのピカピカの車。
なんだか気が引けるけど…


「じゃあお言葉に甘えてお願いします」


駅まで乗せてもらえるなら正直ありがたい。
…先生とも一緒にいられるし。


「じゃあ乗って」


「はい」


エンジンをかけ走り出した車が向かうのは駅とは違う方向だった。


「先生、道間違ってません?」


「何で?こっちからの方が近いでしょ、鈴村さんち」


……家まで送ってくれるんですか?


「結構距離ありますよ?」


「いいよ暇だから」


「…ありがとう、恭也さん」


名前で呼んでみると先生は照れた。
昨日は「先生禁止」なんて言った癖に。


それから家まで約1時間の道のりはドライブみたいで楽しかった。


家の近くまで来て鞠華さんのアパートの前を通る時、先生はチラリと二階の一室を見上げる。
家主の変わった部屋にはモスグリーンのカーテンが掛かっていた。


「…鞠華さん、今は?」


「知らない」


「元気かな」


「あいつはいつも元気だろ」



最後の言葉に温かさを感じた。


淡々としてるけど悪い別れ方じゃなかったんだろうなって。
きっと私と大地みたいじゃない、もっと穏やかにちゃんと最後を迎えたんだろうって…


短い言葉から感じられた。







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