この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恋セヨ乙女
第5章 再び
「でも…」


「ちゃんと送るから」


「………」


それから先生の最寄り駅、南雲町まで私も行くことになり十数分間をそのまま先生の腕の中で過ごした。



ホームに着き電車を降りると先生に手を引かれる。
私はされるがままおとなしくついていく。


改札を抜け駅を後にする先生。
私はそのまままた電車に乗ると思ってたから…


「先生!」


手を引くと先生が振り向いた。


「どこに行くんですか?」


私を見た先生は困ったような辛いような顔をしてスッと私に手を伸ばす。


「!?」


その手は私の胸元に真っ直ぐ伸ばされて


何!?


後ずさって構えると先生は…私の胸のボタンを留めてくれる。
さっきの痴漢に外された胸のボタン。


そして初めて触れられた胸…


忌まわしい感触が蘇ってまた体が震えた。


「これから家まで送るから」


「でも駅…」


「電車は乗りたくないだろ」


その言葉に涙が込み上げる。


「俺がついていながらごめんな」


「………」


後から後から涙が落ちた。
恐怖、悔しさ、安堵…
いろんな気持ちの入り交じった涙が頬を伝う。


先生は何も言わず私の頭をポンポンと撫でてくれた。


「こ、怖……った」


「うん」


「気持ちわ、…悪くて」


「うん」


「せ、先生…私…」



先生は私を再び抱き締めた。


「もう大丈夫だから」


その声が安堵感を与えてくれる。


それからしばらく私は泣いた。
駅明かりから少し離れた薄暗闇の中で、先生の胸に顔を埋めて子供みたいに泣いた。



近くを通る人は何事かと思うだろう。
それでも先生は何も言わずにただ泣かせてくれた。


/422ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ