この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋セヨ乙女
第29章 エピローグ
「真優ちゃんやっぱり恭也に連絡しましょう」
「…生徒を放って帰るわけにはいかないからいいです」
「子宮口もそんなに開いてないみたいだし、初産だから間に合うとは思うけど…もし生まれることになったら真優、あなた母親なんだから先生がいなくても頑張れるわね」
「うん…」
本当は心細くて泣きそうだった。
先生が側にいない不安とこの痛み…
結局その日は生まれる気配のないまま夜を越す。
翌日、先生が駆けつけたのは分娩室に入る本当に直前だった。
それから二時間……
「おめでとうございます、男の子ですよ」
猫みたいな産声が分娩室に響く。
生まれたての我が子は軽いのに、何より重く感じられた。
――――新しい命が誕生した。
人が人と出逢い恋をして命を繋げる。
アダムとイヴの時代から繰り返された連鎖が次の世代へ今、繋がった。
「お疲れ様」
先生が私の手をギュッと握る。
「うん…」
握り返す力もなく先生に身を任せ大役の後の満足感に浸る。
「ゆっくり休んで」
「うん……」
髪を撫でてくれる手が優しくて、そのままゆっくりと瞳を閉じた。
「…生徒を放って帰るわけにはいかないからいいです」
「子宮口もそんなに開いてないみたいだし、初産だから間に合うとは思うけど…もし生まれることになったら真優、あなた母親なんだから先生がいなくても頑張れるわね」
「うん…」
本当は心細くて泣きそうだった。
先生が側にいない不安とこの痛み…
結局その日は生まれる気配のないまま夜を越す。
翌日、先生が駆けつけたのは分娩室に入る本当に直前だった。
それから二時間……
「おめでとうございます、男の子ですよ」
猫みたいな産声が分娩室に響く。
生まれたての我が子は軽いのに、何より重く感じられた。
――――新しい命が誕生した。
人が人と出逢い恋をして命を繋げる。
アダムとイヴの時代から繰り返された連鎖が次の世代へ今、繋がった。
「お疲れ様」
先生が私の手をギュッと握る。
「うん…」
握り返す力もなく先生に身を任せ大役の後の満足感に浸る。
「ゆっくり休んで」
「うん……」
髪を撫でてくれる手が優しくて、そのままゆっくりと瞳を閉じた。